研究室についてabout
木材は再生可能で環境に対する負荷が少ない生物材料であり、また、木材を利用することは二酸化炭素の貯蔵につながり地球温暖化防止にも役立ちます。木質材料学研究室では、主に建築用構造材として木材を最大限に有効利用することを目指し、基礎から応用までの一連の研究を進めています。
基礎の部分では主に木材の物理的な性能を対象にしています。木材は自然材料のため、鉄やコンクリートと違って、人がコントロールして品質を均一に出来ません。建築用構造材として取り扱うためには、無垢材、エンジニアードウッドに関わらず、変形性能や強度特性を把握しておくことがとても重要です。最近では、広葉樹材のめり込み性能、集成材のせん断強度、CLTパネルの面内変形性能などについて、実験的に性能を調べています。
応用としては、木質構造:木質構造物の設計やその構造安全性、耐久性向上のための研究が大きなテーマです。正しい設計を行えば、木造建築は十分な耐震性能、耐火性能が得られることが分かっています。その体系化に向けた実験的検討やコンピューターによるシミュレーション、木材利用を促進させるような新たな構法開発、伝統的な仕口・継手の力学的性能の定式化などを行っています。
また、課外活動ですが、木製パビリオンの設計・製作も行っています。実際の建築におけるプロセスを学ぶことも想定し、【個人での原案の作成】→【コンペティションによる作品の選定】→【材料加工・施工の計画】→【建て方】の過程を学生達だけで行っています。製作された作品は、学園祭である五月祭にて、毎年展示しています。